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2010年9月

2010年9月 7日 (火)

プーリア州の、オリーブの森

とにかく南イタリアには、オリーブの木が沢山・・・

トスカーナ地方などもオリーブオイルの産地ですが、数はプーリアがダントツです。
もう林というか森というか、はたまた樹海か?迷ったら出てこれないんじゃないかと思うほど。
Otranto_163
走れど走れど、オリーブ・・・
地中海側から、アドリア海側に横断しても、ほぼずっとオリーブの森が続きます。

Otranto_167 ところどころ、石垣で区画されています。
なんせ土地が荒れ地で、耕そうにもすぐにこの石垣のような石が出てしまい、作物が育たない。しかも、夏こんなに暑いのに、雨が1滴も降らなかったりする。

それでも、耐えうるのがオリーブ。。。というのか、この風土に適してるのかな・・・?

Otranto_168 100年以上の大木は、何か樹霊のようなものを感じますね・・・
厳しい気候に耐え、生き抜いてきた古木は、幹がぐぐっとねじりあがり、まるである生きざまを見るような迫力があります。

Paoloridotto142 潮風にも強いのか、海沿いにも等間隔に植えられたオリーブ。その向こうには海。
日本でもすっかりおなじみになりました、イタリア産オリーブオイル、きっとこの中のどの樹からか、お届けしていると思います。*^^*

イタリアの踵の果て・・・

イタリアの踵の先っぽに当たる、サンタ・マリア・ディ・レウカに行ってきました。

世界に散らばる、いわゆる『最南端』です。笑。
オートラントという、これもイタリア最東端の街から、車で出発~♪

Paoloridotto075 車窓からの景色は常にこんな感じ・・・
荒涼とした大地と、深い青のアドリア海が、太古の昔から何一つ変わらぬ自然を感じさせます。

Paoloridotto077 海岸沿いに、ポツポツ等間隔で現れる、見張り台。
私の住んでいる街もそうなんですが、中世からルネッサンスにかけて、イタリアは、オスマントルコの襲撃に大変悩まされました。そのための見張り台が、今も残っています。

この地方の古い民謡の、『ここは私たちの土地、あなた方は触れるな・・・』と繰り返される歌詞を思い出します。この荒涼とした土地を、守り抜こうとした人々の想い・・・

Paoloridotto080 道中にはイスラム様式の御屋敷も残っていたりして・・・
この地方の人たちが、時には、敵陣とうまく共存したことが伺えます。

Paoloridotto090 ここがイタリア本島の踵の先っぽ、サンタ・マリア・ディ・レウカの街です。
朝、オートラントから出発し、海岸沿いの崖っぷちに延々と続く曲がりくねった道を抜け、やっと、お昼過ぎに着きました。

Paoloridotto089 さすがに水はキレイ透き通るエメラルドグリーン!
洞窟(グロッタ)も沢山あって、洞窟めぐりの船も出ていました。
が…暑いっ!岬を散歩して帰ると、車のデジタルが42度・・・ああー、クラクラ~。

『話のタネに…』的な小さな旅でした。*^^*

2010年9月 4日 (土)

バロックの古都、レッチェ

8月の末に、長靴型のイタリアの踵にある、古都レッチェに行ってきました。
紀元前12世紀からの歴史(お~っ!半端でなく古都!)を誇り、長く続いたローマ帝国の支配の後は、数々の外国の支配者に統治されました。
16世紀から17世紀にかけて、スペインのカルロ6世統治時代に、地元産石灰岩を使った、独特の華やかなレッチェ・バロックが花開きました。

レッチェは特急電車の南の終着駅で、『イタリア本土の南の果て…』というイメージが私にはあって、昔から憧れていた、一度は訪れたかった街です。

Otranto_012 レッチェ・バロックの傑作は、何といっても、このサンタ・クローチェ聖堂です。

大抵、あまり大きくない古都の立派な教会って、狭い路地を歩いていると突然目の前に現れ、『おおおっ~!出たー!』という感じです。
レッチェのこの教会もしかり。
ガイドブックによりますと、1549年から1679年にかけて建造されました。

Otranto_019 レッチェ産の石灰岩。光や湿度によって微妙にトーンが変わるそうです。

南イタリアの明るい陽光に陰影を映し出す、乾いた石灰岩の質感。
そのせいか、かなりの装飾性なのに、いやらしさを感じません。
私個人の感想としては、確かにスペインバロックの流れを受けながら、どこかもうすこし洗練された印象を受けました・・・

Ridotto40 『ちょっとアアタ!ちゃんと支えなさいよっ!』『えーえー!支えてますわよっ!』と、
西洋ドラゴンとフェニックス・・・大変長い間、お疲れ様です・・・
Otranto_020 正面入口の柱。

この石灰岩は水に濡れると柔らかく細工がしやすいのですが、さすがにそのせいで、経年の消耗も見られます。しかしながらこの伝統的な唐草模様などは、本当に美しい。

Paoloridotto050 街の真ん中に突然ローマ円形劇場が現れたりします。

夏の間、オペラや演劇が開催されます。
地方都市はチケットも高くないので、夏の夜を過ごすのにはもってこいです。*^^*

『イタリアの踵の小さな旅』次に続きます・・・

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