バロックの古都、レッチェ
8月の末に、長靴型のイタリアの踵にある、古都レッチェに行ってきました。
紀元前12世紀からの歴史(お~っ!半端でなく古都!)を誇り、長く続いたローマ帝国の支配の後は、数々の外国の支配者に統治されました。
16世紀から17世紀にかけて、スペインのカルロ6世統治時代に、地元産石灰岩を使った、独特の華やかなレッチェ・バロックが花開きました。
レッチェは特急電車の南の終着駅で、『イタリア本土の南の果て…』というイメージが私にはあって、昔から憧れていた、一度は訪れたかった街です。
レッチェ・バロックの傑作は、何といっても、このサンタ・クローチェ聖堂です。
大抵、あまり大きくない古都の立派な教会って、狭い路地を歩いていると突然目の前に現れ、『おおおっ~!出たー!』という感じです。
レッチェのこの教会もしかり。
ガイドブックによりますと、1549年から1679年にかけて建造されました。
レッチェ産の石灰岩。光や湿度によって微妙にトーンが変わるそうです。
南イタリアの明るい陽光に陰影を映し出す、乾いた石灰岩の質感。
そのせいか、かなりの装飾性なのに、いやらしさを感じません。
私個人の感想としては、確かにスペインバロックの流れを受けながら、どこかもうすこし洗練された印象を受けました・・・
『ちょっとアアタ!ちゃんと支えなさいよっ!』『えーえー!支えてますわよっ!』と、
西洋ドラゴンとフェニックス・・・大変長い間、お疲れ様です・・・ 正面入口の柱。
この石灰岩は水に濡れると柔らかく細工がしやすいのですが、さすがにそのせいで、経年の消耗も見られます。しかしながらこの伝統的な唐草模様などは、本当に美しい。
街の真ん中に突然ローマ円形劇場が現れたりします。
夏の間、オペラや演劇が開催されます。
地方都市はチケットも高くないので、夏の夜を過ごすのにはもってこいです。*^^*
『イタリアの踵の小さな旅』次に続きます・・・