18世紀の古典刺繍
姉妹店:Tesoro*テゾーロでも、幾つかご紹介しています、古典刺繍。
Todi(トーディ)というウンブリアの丘の上の町の美術館で、優れた18世紀の古典刺繍を拝見してきました。
Todiは、『世界の中でも最も快適な住環境の街』に選ばれたことがあって、《都市機能と周囲の環境とのバランスが保たれた町》とのことなのですが、どう見ても田舎ののどかな丘の上の小さな町で、日本人の私から見ると、都市機能???という感じだし、電車が通ってないので、まず車が無いと住めない不便さもあると思うのですが・・・
しかしながら、ウンブリアの丘の中の緑豊かな、美しい古都であることに間違いはありません。
ウンブリアの曲がりくねった丘の道を上り詰めていきます・・・ TODIの表示が見えてきました。
先ずは、趣味の教会めぐり・・・うふふ。
この時代独特の造詣が周りの環境と調和し、庶民の祈りの声が聞こえるような、、、いつもロマネスク教会には心惹かれます。
12~13世紀のロマネスク、サン・イラーリオ教会。ファサードはロンバルディア様式です。
真夏日の中、丘を汗をかきかき上り詰めると、Todiの町の中心のピアッツァ(広場)にたどり着きます。 こちらは、Todiのドゥーモです。12世紀の建設。
ドゥーモは、お決まり通り、町の一番高いところに建設され、しかも階段でまた底上げされているので、実施よりも、一段と大きく見えます。 シンプルな造形のロマネスクながら、近づいて見ると、ファサードの彫刻は、きりっと的を得た美しいものでした。
階段に当たる地下部分にも礼拝堂が設けられています。真夏でも、ひんやりとした空気が漂います。
さて、本題に・・・教会から反対側を向いたところに、今でも市庁舎として用いられている、ポポロ館とカピターノ館があり、一部が美術&博物館になっています。
今でも、ロメオ様みたいな騎士が階段を駆け降りてきそうで、、、心躍るわ~♪
階段を上ったところ。正面の壁にTodiの町の紋章。
ちょっとラブリーな鷹さんです。
こちらが、18世紀の、刺繍が施された司祭服。 絹地に絹の刺繍。
拡大ディティール。
こちらは、教会の祭壇を飾った布。
金糸と絹糸で刺繍されています。
上記のコーナー部分。金糸のレースが取り囲みます。
Tesoro*テゾーロでも幾つかご紹介した、銀糸の刺繍。
上記のコーナー部分。銀糸で織られたレースで縁取られています。
ガラス越しで、いまひとつきれいに色が出ていないのが残念ですが、、、いずれも息を飲む美しさの品格が漂う、18世紀の芸術品です。
さて、美術館の窓からの景色・・・ これらの刺繍が作られた時から、ほぼ何一つ変わらない展望です。
『イタリアの緑のハート』と呼ばれるウンブリア、他にも個性的な古都が数多く点在する、魅力的な土地です。