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2016年7月

2016年7月 5日 (火)

RESTAURO(レスタウロ=修復)というお仕事

アンティークの修復というお仕事についてです。

イタリアは、世界中でも文化遺産が最も多い国。
当然、修復の仕事の需要もあります。
昨年、ローマのスペイン広場の噴水がオランダの酔った凶暴サポーターに壊されたとき、一晩で修復をし、イタリアの修復家の底力に感服しましたー。
イタリア人、やるときはやるんだぁ~!

ところで今回は、以前にTesoro*テゾーロにて販売した、≪18世紀後期ナポリの幼子イエスさま≫を、お客様の依頼で修復した、その過程をご紹介します。

なるべく良い状態に・・・というお客様のご要望により、修復は、

1.表面のクリーニングと、内部の虫食い予防処理。木材の強化のトリートメント。

2.欠如している指の再生と、離れている指の修復

3.後年にリペイントされた塗料の削除とオリジナルの色の再生

4.小さなダメージや消耗部分の修復および最終的な保護トリートメント
という、全工程になりました。

この彫像のベースは木で、彫刻されたものに漆喰を塗り、着色されています。
クッションの上に寝かして置かれたもので、もしくは、クリスマス時期に教会の中に飾られる、幼子イエス様誕生のシーンに、飼い葉桶の中に寝かされていたもの。
このキリスト降誕の情景を再現する飾りつけは、「プレゼーピオ」と呼ばれますが、今でもイタリアの中でもナポリ地方が一番盛んなようです。

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修復前の彫像。後年リペイントされており、印象は、少しお化粧したお稚児さん。
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オリジナルの彩色に戻した、修復後。
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修復途中の写真。
修復は、常に最初の状態、前の過程の状態を確認しながら進められます。
よって常に一部分、過程の状態を残しておきます。
上写真の一番小さな四角が、修復前の状態です。
これから、長年の手垢や汚れを削除したのが、2番目の四角。リペイントされた肌色が見えてきました。
その周りが、最終的にオリジナルの肌色に戻したものです。
もちろん、この過程の四角は、最後には全部取り除きます。
このほか、目立つダメージとしては、指の欠陥がありました。

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欠けた指。残念ながらアンティークの彫像ではよくあることです。
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修復後。
中指の外れた指も、中に昔修復された際に入れられた鉄芯が入っていましたので、取り除き、オリジナルに使われる木棒で補修のし直しを行いました。
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その他の小さなダメージを整え、肌の均一化も行い・・・
小さな筆で、少しづつ慎重に作業が進められていく様は、修復家の情熱を感じました。
修復は、実費のみをご請求しています。
依頼している修復家は、国宝級の宮殿の壁画や、モランディなどの近代絵画、彫像もこなずベテランです。

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修復家の、ジャンフランコさんとサーラさん。
また、修復過程を詳しく説明した、「修復証明書」も、納品の際にお送りします。
下記をご覧ください。↓


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