イタリアの台所

2018年8月 2日 (木)

イタリアB級?グルメを、橋の下で・・・

暑い夏の夕暮れ時、アリッチャ(Ariccia)という近郊の街に、名物のポルケッタ(豚の丸焼き)を食べに行ってきました。

B級なんて言ったら失礼かもしれないけど、かなり庶民的な食べ物。
夏祭りの屋台なんかでも、パンにはさんで売ってます。
 
ちなみに日本に行ったことのあるイタリア人に圧倒的に人気な、日本のB級グルメは、たこ焼き&明石焼き。
 
Rimg0640
ブリューゲルの絵に出てきそうな、中世そのまま見たいな席。
 
いつも行くこのレストランは、まず安いっ!早いっ!旨いっ!
この長テーブルに長ベンチという、何百年の伝統を守るインテリア?も、好感度高い。
開店直ぐなのでこんな感じですが、夜9時には、外にも行列が出来ていました。
 
Rimg0635xx
夕暮れの涼を求めて、人気の橋の下の席に・・・
 
アリッチャには有名な大きな橋が架かっていて、その昔結婚を認められない恋人たちが、大勢ココから身投げしたそうです。
 
Rimg0631cc
ポルケッタ。ローズマリーなどのハーブと岩塩で味付けされてます。
 
Rimg0632cc
サクサクのフォカッチャ付き。
 
肉類をほとんど食べなくなった私にも、ここのポルケッタは柔らかく、味付けも程良く、脂の乗り具合も適度で、美味しく頂きました。
 
Rimg0641
ズッパ・ディ・ファジョーリ(豆スープ)と、ブルスケッタ。
 
盛り付け?が、あんまりにも庶民的ですが、、、豆スープは夏も美味しいな。
木の椀に入ってれば、中世そのままね・・・
 
フレッシュトマトのブルスケッタは、夏の定番。
ローストしたパンに、生ニンニクの切り口を擦り付けるのがポイント。
 
Rimg0649cc
チェリートマトと、ポルチーニキノコのクリームパスタ。
 
Rimg0653cc
確かイノシシのひき肉のニョッキ。
 
パスタは半分盛で。
2種類、味わいました。
 
ニョッキは、ウエイトレスさんのお勧めで、ものすごーく、美味しかったです。
 
Rimg0656xx
給仕担当が、口頭で、今日のメニューを説明してくれます。
 
Rimg0657cc
テーブルのパンは食べきれなかったので、持って帰って翌日ブルスケッタに。
 
ハウスワインも、白赤飲んで、おなか一杯~。
日も暮れてまいりました。
 
Rimg0665cc
道沿いには、名物ポルケッタのお店が並んでいます。
 
Rimg0668cc
中央広場の教会は、ベルニーニの建築。すっきりとしたラインが美しい。
 
広場には、屋台も出て、ステージで生演奏。
その前でシニョーラたちが(大抵50歳代以上)ダンスを楽しんでました。
 
イタリアの小さな町の、寛いだ楽しい、週末の夏の宵でした。
 

2013年6月19日 (水)

イタリアのトマト図鑑

さてさて、イタリアを代表する野菜といえば・・・?
そうですよねぇ、トマト(イタリア語で=ポモドーロ)ですよね、疑いなく。

で、日本を代表する野菜といえば・・・?と考えると、私は大根を挙げたいのですが、皆さまは、いかがでしょうか?大根は、ミラノでは時々見かけましたが、ローマ近郊では見たこと無いです。ゴボウ・オクラ・レンコン・三つ葉も無いです。
オクラは、夏は欠かせない大好きな野菜だから、残念・・・ 
嗚呼、オクラ納豆素麺!

 

トマトは、世界中に8000種(!)もあるそうで、、、とても図鑑ではないのですが(笑)、ローマ近郊の野菜屋やスーパーで普通に扱っているものを、ご紹介です。

 

日本では、生のトマトは、なんとなくサラダの飾りの範囲を超えていない感じですが、イタリアではざくざく使う、という感じ。第一、安いし。

269大型トマト3種。

手に持っているのは、米料理用のトマト=ポモドーロ ペル リーゾ。半分にカットして、中をくりぬいて、ハムとチーズを混ぜたお米を詰めてオーブンで焼く料理用。

 

右奥の、「いったいどうしちゃったのさぁ~!」という肥満体さんは、その名も、雄牛の心臓=クオーリ ディ ブエ・・・また、すごいネーミングです。
こちら、牛肉の薄切りとたまねぎの薄切りとで煮込みを作ってみました。ちょっと酸味が強く、夏の煮込みには最適です。軽くサワーな感じに仕上がりました。でも、色が桃色なので、見た目はいまいちでした。

 

手前の、まだ青い細長いトマトは、サン・マルツァーノと言う、日本でも苗が売られている、代表的なイタリアントマト。真っ赤なものもあるけど、緑のものも売ってる。野菜屋さんのお姉さんはモッツァレッラチーズとサラダにするといいって言ってたけれど、日本では加熱用みたい?

281_2ちいさなトマト達、4品種。

こちらは、イタリアントマトらしい、真っ赤なポモドリーニ=小型トマト。
私は、南イタリアの強烈太陽のおかげで、イタリアのトマトは真っ赤っ~!と思っていましたが、どうも、それは単に種の違いらしい。日本では、桃色の「桃太郎トマト」などが主流なんだそうな。
ふうん、、、でも、赤いほうが食欲は誘います。

 

手に持っているのは、ピカデリーという名の細長いトマト。パキーノと呼ぶ場合もある。櫛切りにして、にんにくの擦りおろしとオリーブオイルとバジリコかオレガノと塩を掛けてしばらく置いて、こんがり焼いたフランスパンの薄切りに乗せて食べるとおいしい。夏の前菜・ブルスケッタです。
また、パスタソースにしてもおいしい。(※)

 

奥のトマトは、その名も赤いトマト=ポモドーロ・ロッソ。この同じ大きさで緑のトマト=ポモドーロ・ヴェルデというのもある。これは、主に煮込み調理用。

 

その下の、房に連なってるのは、チェリートマト=チリエッジ-ニ。
これは、ブルスケッタにしても、サラダに入れても、パスタソースにしても良い。

 

※真っ赤な小さなトマトのシンプルパスタソースの作り方
細かく刻んで、オリーブオイルで炒めたにんにくのみじん切りが色付いたころに入れて、塩を一振りして蓋をしてちょっと煮込む。水分が出てきて柔らかくなったら、お好みでオレガノを入れる。8分目に茹でたパスタを入れて、ソースがクリーム状にパスタに絡まるよう、中火でかき混ぜて合えます。このパスタには、パルミジャーノチーズは無し、がお勧め。フレッシュトマト
のお味が分からなくなるからね。

 

右下の一番小さなトマトは、このところの私の定番、ナツメヤシ・トマト。
確かに、形も大きさもナツメヤシそっくりで、切らずにグリーンサラダに混ぜます。
ほとんど水っぽい部分が無く、お味は濃厚。小さい割りにお値段高めですが、他のトマトには無い濃縮感です。

303保存食の、ポモドーロセッキ。

開いて塩を掛け天日に干して半乾燥させたパキーノトマトをオイル漬けにしたもので、かなり塩辛い。
細かく刻んでパスタソースに混ぜたり、またブルスケッタに乗せたりします。
慣れるとおいしい、塩辛的?存在。

 

トマトに含まれるリコピンが体に良いということで、、、
あまり健康に気を使わない(と感じます。笑。)イタリア人が、意外と長生きなのは、常食するトマトのおかげと、日本人から見ると表裏なく素のままで生きている気質のおかげかな~?

 

余談ですが、イタリアにはトマトジュースが無いんです。
私、好きなんですけど。お風呂上りに・・・

 

で、トマトジュースは飛行機に乗ったときに頼む、洒落た飲み物になっています。

 

「塩、レモン、あったらタバスコも・・・」なんて、また通ぶっちゃって・・・
自分でも、あまりにささいなことで、、、苦笑です。

 

2011年5月10日 (火)

たかがアーティチョーク、されどアーティチョーク

今日は、このところマイブームなアーティチョーク料理について・・・
イタリア語では、カルチョーフィと呼びます。
春先から初夏まで市場に出回る、朝鮮アザミの蕾で、ドッサリと積まれたアーティチョークを店先に見つけると、『ああ~、春なんだな・・・♪』と思う、旬の野菜です。

お味は・・・というより、味はあんまりないかな~?
その歯触りと、食べていると鼻の奥に広がる微妙な香りを楽しむって言った方が良いかもしれません・・・
春先の風物詩という点でも、また食感の点でも、私はタケノコに似ていると思います。

でも、なかなかアーティチョークの良さが分からなくて(笑)、イタリア人は独特の風味がおいしい!って言うんだけれど。で、今年は、『ううんっ!カルチョーフィは、うまいぞぅ!』って感じれるまで、料理してみようと心に誓ったのでした・・・*^^*

で、近所のシニョーラのアドヴァイスと、私の好みを混ぜて数回の試作を繰り返し(←オーバーな・・・笑)、完成したレシピがコチラ・・・
Carciofi_014 2種類のアーティチョークを用意しましたが、お味は変わらないみたい・・・。
材料は、アーティチョーク・じゃがいも・ニンニク・ベーコンを適量で。

Carciofi_016 直径8~10cmぐらいあって、結構、大きいんですよ~。
アーティチョークを初めて手にして、まず迷うのは、『いったいどこを食べるのさぁ~?』ってこと。中の柔らかい部分に至るまで剥いていきます。花弁の先には棘があるから(←なんたってアザミですからねっ。*^^*)、気を付けて!

Carciofi_017うーん、このぐらいでいいかな~?

そして、棘部分と、先っぽは繊維質で硬いので、ここもバサッリ!と切り落とします。
Carciofi_020実際食せる部分は、ほんの僅か・・・

アクも強いので、水にさらすとベターです。アクで、剥いていると爪の間が真っ黒になるのだけが、困ったもんです。

Carciofi_025 4つ割にします。

ニンニクをつぶしてオリーブオイルで炒め、香りが出たら取り出し、ベーコンを炒めて取り出し、そこにアーティチョークを入れて裏返しながら良く炒め、下ゆでしたジャガイモと先ほどのベーコンを入れて、粉末ぺぺロンチーノを振りかけ、フタをして蒸し焼きにします。

Carciofi_030 『初夏を呼ぶ、ニンニク風味のアーティチョーク炒め』

カリカリベーコンとジャガイモとアーティチョークの歯触りがそれぞれ違って、Good!な1品です。*^^*
もう一品、イタリア人の友人に教えてもらったレシピも、ご紹介。

Pppix_007こうして見ると、本当にお花ですね。

蕾の真ん中を広げて、詰め物をします。
パン粉とパルミジャーノ・チーズとパセリを混ぜて牛乳で練ったものを、きゅっきゅっと詰めていきます。
うはは♪ おままごと感覚で、楽し~い。*^^*
オリーブオイルでニンニクとベーコンを炒めて取り出し、そこに底を平らにカットして座りを良くしたアーティチョークを並べ、ちょこっと白ワインを入れて、ふたをして蒸し焼き。

Pppix_019 『アーティチョークの詰め物・カリカリベーコン添え』

こっちは、初めてのトライだったのに、想像以上にうまく出来て、『おおおっ!いけるぞーっ!』って感激しました。ベーコンは余ってたから付けたので、本来は無くてもOK。

アーティチョークって、ものすごく鉄分が多いそうです。
健康面でも、女性の強い味方ではないですか・・・!

何事も、ハマると楽しいですね。
今年の春は、アーティチョークと人生を共にした、私でした。*^^*

2010年4月27日 (火)

海老とズッキー二のスパゲッティ

さて本日は、友人のマルチェッロ氏の料理のご紹介です♪

彼は、家の近くのレストランのオーナーで、ワインの愛好家でもあります。
郷土料理はもちろん、ものすごく創造性の高いヌーベルキュジ―ヌ(あっ、これではフランス語ですね!イタリア語では、クチ―ナ・ヌォ―ヴォかな?)も、得意です。

Aprile_006
初夏の日差しにふさわしい、滋味溢れるスパゲッティと、それに良く合う白ワイン。

Aprile_012_3
ああ…写真を見てるだけで、、、パブロフの犬になります。
キレイな写真を撮ろうと苦戦している私に、『何やってんだ?早く食べろ!』と、お達しが・・・

実は、海老・蟹や貝が大好きな私。
高まるコレステロールも、見て見ないふり・・・アナタ、人生は短いのよっ!

このスパゲッティも、2種類の海老から滲み出る滋味がしっかりとからまり、ぺぺロンチーノ:唐辛子(←なぜかここでは魚介料理によく使います)の、僅かにピリリとするアクセントで、箸が・・・いやフォークが進みます♪

≪海老とズッキー二のスパゲッティ≫
材料:4人分
海老:8尾
小海老:20尾
スパゲッティ:320g
チェリートマト:12個
ズッキー二:2本
オイル漬けのアンチョビ:4尾←
辛味と風味づけに良く用いますが、無くてもOK
オリーブオイル・ニンニク・パセリ・ぺぺロンチーニ(唐辛子):適量

オリーブオイルに、ニンニク2カケを潰したものを弱火で炒めて、香りが出たらニンニクは取り除く。
ズッキー二は細切りにし、上記のオリーブオイルに入れて、塩少々をふる。
アンチョビを、細かく切って、上記の中に入れ溶かせる。
パセリを刻んで入れる。
4個のチェリートマトを、細かく刻んで入れる。
8個のチェリートマトは、ヘタを付けたまま、入れる。(飾り用)
海老と小海老と、種を取り小さく刻んだぺぺロンチーノ(お好みですが、大体2カケ位)を入れる。

・・・この間にパスタを茹でておく。・・・でも指定時間より3分前に、湯揚げする。

このソースに、パスタの茹で汁をお玉2杯分入れる。
フタを閉めて、5分強火で ソース内の材料を柔らかくし・・・そしてパスタを入れて、水分を飛ばしながら、パスタとソースがクリームのように絡まるよう、よく混ぜ合わせる。

お料理は何でもそうですが、これもタイミングが大事。
3分前に茹であげるパスタと、ソースの仕上がりの競り合いっ!

うまく出来た時の満足感は、またひとしお・・・*^^*うふふっふ*^^*

さて、このパスタに良く合う、≪Antonutti≫の白ワイン♪

Aprile_032
Visterrae・・・アロマーティコの名の通り、とても香り高く、熟成された白ワイン。
18ヶ月間、ボトルで寝かされています。

こちらのワイン、パスタと一緒に頂きました。*^^*
蜂蜜とエキゾチックな果実のような香り。口の中に含むと、その香りが長い間残ります。グラスを回すと、ワインの涙が出来て、グリセリン(油分)が多く含まれているのが分かります

Aprile_048
とても印象深い白ワインでした。女性好みだとも思います。1本35ユーロです。

もう1本、お勧めは・・・
Aprile_027
Sauvignon・・・2009年もののソーヴィニオン。アルコール度数12.5%で軽め。
爽やかな苦いレモンのよう・・・軽い魚介類の料理によく合う。1本20ユーロです。

Aprile_040
マルチェッロ氏。青空みたいな目と、気さくな人柄。見た目より照れ屋さん。笑。

イタリアの、まだまだ隠れた美味しいワインを、ぜひぜひ日本の皆さんに味わって欲しいそうです。
今回ご紹介したワイン、販売しています。
ご興味のある方は、お問合せくださいね。*^^*